1990年の発行以来、常に読み継がれてきた経営書の古典。その特徴は、まずシステム思考を組織論に導入したことである。組織を固定した枠組みとして見るのではなく、そこにいる「人」によってダイナミックに変化するシステムだと捉える。そして、優秀な人を揃えること以上に、組織として「学ぶ」文化を育むことこそ、事業を支える組織の要諦であることを示す。この「組織として学びが促進する」という概念が「学習する組織」であり、そこでは自ずと変化を恐れず、同時に人の成長と組織の成長が一体となった、まさに動的に躍進する組織の姿が描かれている。人を機械として見るのではなく、それぞれの人間の相互作用で組織がつくられるという視点が導入されているのだ。システムダイナミクスや、システム思考に興味がある人にとっても欠かすことのできない一冊である。学習する組織」という言葉を知っている人は多いだろうが、実際にこの本を通した人は意外と少ないのではないか。そんな人にも本格的な経営書を読む体験となる。